2015年10月15日
モーニングスター株式会社

中立的な第三者としての立場からEコマースや各種ウェブサイトの客観的な評価・比較を行うモーニングスター株式会社(以下、当社)は、「Gomez地方銀行サイトランキング2015」をGomezのウェブサイト(http://www.gomez.co.jp/)で発表しました。

地方でのインターネット利用が広がり、顧客とのコミュニケーションチャネルとして地域金融機関のウェブサイトが持つ重要性は日々増大しています。各種金融商品やサービス、店舗やATMの案内などが掲載されたウェブサイトは、インターネットバンキングを利用しない窓口利用中心の顧客層にとっても、重要な情報収集媒体としての役割を持ちます。

そこで当社は、地域金融の中核を担う地方銀行・第二地方銀行のウェブサイト、とりわけ顧客とのコミュニケーションの起点となるプロモーションサイト(ログイン前の一般ユーザー向けサイト)のユーザビリティやコンテンツを評価したランキング調査を毎年実施しており、今回で5回目の発表となります。当ランキングでは、「機能性・使いやすさ」と「商品・サービス情報の充実度」の2つの視点から構成される161の調査項目により当社のアナリストが評価を行い、総合的に優れた地方銀行サイトのランキングを決定しています。

「Gomez地方銀行サイトランキング2015」総合得点上位10サイトは、以下のようになりました。

順位 得点 銀行名 前回※
1位 8.55 横浜銀行 1 位
2位 8.25 千葉銀行 2 位
3位 8.18 京葉銀行 5 位
4位 7.93 広島銀行 4 位
5位 7.86 北洋銀行 6 位
6位 7.62 第四銀行 3 位
7位 7.60 群馬銀行 23 位
8位 7.52 常陽銀行 9 位
9位 7.48 東京スター銀行 11 位
10位 7.05 近畿大阪銀行 10 位
※前回は2014年9月17日発表

【カテゴリ別ランキング】

■ 機能性・使いやすさ
順位 得点 銀行名
1位 8.59 北洋銀行
2位 8.39 横浜銀行
3位 8.37 千葉銀行
4位 7.96 京葉銀行
5位 7.77 広島銀行
  ■ 商品・サービス情報の充実度
順位 得点 銀行名
1位 8.71 横浜銀行
2位 8.40 京葉銀行
3位 8.13 千葉銀行
4位 8.10 広島銀行
5位 7.91 群馬銀行

【上位サイトの特徴】

「Gomez地方銀行サイトランキング2015」の総合1位は、昨年に引き続き横浜銀行となりました。総合スコアは8.55点を獲得し、カテゴリ別では、「商品・サービス情報の充実度」で1位、「機能性・使いやすさ」で2位となりました。前回から一部リニューアルを経て、より充実した情報を豊富に提供しています。スマートフォンサイトでは、各商品ページのほかATM検索、お知らせ・新着情報などスマートフォンに最適化したページを用意しています。また、ウェブサイト全体を通して文字サイズやアイコンサイズが大きく適切であり、可読性・視認性の高い優れたウェブサイトです。
総合第2位においても昨年と同様「千葉銀行」となりました。カテゴリ別では、「機能性・使いやすさ」・「商品・サービス情報の充実度」のいずれも3位を獲得し、バランスの良いウェブサイトです。商品説明ページでは、最初に見える1stビュー範囲に商品のポイントや特徴などを配置し、商品概要などの詳細情報をタブ切り替えによって展開しています。このことにより、縦長になりがちなページがコンパクトに纏められ、見やすく、使いやすいページ構成になっています。また、金利一覧表など細かな表を識別しやすいように、マウスを合わせると色彩反転する工夫がされるなど、ユーザーの使いやすさに配慮した優れたウェブサイトです。
総合第3位は「京葉銀行」となりました。カテゴリ別では、「商品・サービス情報の充実度」で2位を獲得しました。ユーザーが、各種金融商品選択の際に手助けとなるツールが多く用意され、為替シミュレーションやローンシミュレーションのほか、豊富なマーケット情報の掲載などコンテンツ面において充実したウェブサイトです。ページ上部には「お問い合わせ」や「FAQ」が常設され、操作に迷った際に目的の情報を見つけやすくなっています。またFAQページ内は、カテゴライズされているほか、FAQ内を検索することができるなど利便性が高いウェブサイトです。

【全体的な傾向】

昨年度に続き、地方銀行におけるウェブサイト改善の動きは活発です。前回の発表から今回の調査終了までの間、ログイン前の一般向けサイトをリニューアル(一部リニューアルも含む)した銀行は22サイトとなりました。今回ノミネートされた65行のうち、実に33%もの地方銀行サイトがこの一年の間に何らかのリニューアルを行っており、ウェブサイトのユーザビリティに対する改善意欲の高さがうかがえます。
今回ノミネートされた65サイトすべてのサイトにおいて、トップページはスマートフォンに最適化されたページが用意されていました。しかし一方で、インターネットバンキングログインページ、店舗・ATM検索や商品紹介ページなどの下層のページまでを最適化し、情報量もPCサイトに劣ることなく用意しているサイトは、わずか10サイトでした。コンテンツ戦略においてはパソコン向けサイトのみならず、急速な普及が進んでいるスマートフォンやタブレット端末への対応も急務といえます。

【調査概要】

調査期間 ・ 2015年9月21日~10月8日
・ ランキング結果は10月8日までの各社サイトに基づいています。
調査対象
・ 地域金融の中核を担う地方銀行と第二地銀(協会会員行)を予選調査の対象とします。
・ 上記を対象として予選調査を行い、そのうち一定水準以上のクオリティを持つ65サイトをランキングにノミネートし、スコアリングの対象とします。
調査範囲
・ ログイン前の一般ユーザー向けプロモーションサイトを評価対象とします。
・ ログイン後のインターネットバンキングサービスは評価対象外となっています。

【評価方法】

本調査では、「機能性・使いやすさ」「商品・サービス情報の充実度」の2つの切り口から設定された161の調査項目に基づいてモーニングスターのアナリストが調査を行います。主な評価内容は以下のとおりです。
カテゴリ名称 評価内容
機能性・使いやすさ ウェブサイトの使いやすさを評価するカテゴリです。(1)メニューとナビゲーション、(2)コンテンツの使いやすさ、(3)デザインとアクセシビリティ、(4)安定性と信頼感、(5)情報検索とユーティリティ機能などが評価のポイントとなります。
商品・サービス情報の充実度 ウェブサイトの情報量を評価するカテゴリです。(1)インターネットサービス情報、(2)貯蓄性商品に関する情報、(3)投資性商品に関する情報、(4)ローン商品に関する情報、(5)会社・店舗・ATM情報などが評価のポイントとなります。