2011年4月21日
ゴメス・コンサルティング株式会社

 Webサイトの評価・アドバイス・構築サービスを提供するゴメス・コンサルティング株式会社(東京都港区 代表取締役:森澤 正人、以下「ゴメス」)は本日、第1回「自治体災害情報サイトパフォーマンス調査結果」を発表しましたのでお知らせします。

【調査目的】
 本年3月11日に発生した東日本大震災に伴い、被災地域の自治体のWebサイトでは、アクセスが集中し利用が困難になるケースも見受けられます。今回の大震災をきっかけとして、地方自治体による迅速かつ安定的な情報発信の重要性が明らかになっており、各地方自治体には、緊急時を想定したWebサイトの点検・整備が望まれるところです。
 そこでゴメスでは、各地方自治体のサイトパフォーマンス(※1)の実情を調査することとし、第1回目となる今回の調査では、関東の7都県と5政令指定都市の公式サイトと災害情報サイト(※2)について、ゴメスのサイトパフォーマンス測定ツール「Keynote」を用いて測定し、その現状を調査いたしました。

※1サイトパフォーマンスとは、Webサイトにアクセスしてから完全に表示されるまでの「表示時間」、Webサイトに障害等が発生せずに動作する「稼働率」、表示速度と稼働率が時間・地域等に拠らずに安定している「一貫性」の3要素で構成されます。
※2「災害情報サイト」とは、各自治体が防災・災害に関するポータルサイト/ホームページ等として開設しているサイトを言います。

【調査結果】

今回の調査対象21サイトのうち、表示速度1秒以内のサイトは11サイト、2秒以内は7サイト、2秒超は3サイトでした。
調査対象21サイトで最速を記録した横浜市「横浜市の危機管理」は、0.257秒と他のサイトに比べ一段と良好なパフォーマンスを記録しましたが、転送量と要素数がともに少ないことが特徴です。
表示速度が2.066秒だった栃木県「防災情報」は、転送量と要素数こそ横浜市「横浜市の危機管理」と大きな違いがありませんが、表示速度には約8倍の差が生じており、Webページの構成以外のところにパフォーマンス改善の余地があることがわかります。
栃木県のトップページとさいたま市の「さいたま市危機管理防災気象情報」は、ともに10秒を超えました。栃木県のトップページは特定の画像ファイルが、さいたま市「さいたま市危機管理防災気象情報」は特定のCSSとJavaScriptが表示速度と稼働率の劣化原因となっていました。
Webサイトに望まれる表示速度の参考値として「eコマースでは47%の顧客が2秒以内の表示速度を望んでいる」(※)という調査結果がありますが、2秒を超える3サイトにつきましては、緊急時こそ平時と変わらないパフォーマンスが望まれることを考えると、アクセス集中時のパフォーマンスが懸念される結果となりました。
なお、今回の測定対象ではありませんが、各地方自治体の災害時を想定した取り組みとして、さいたま市は住民同士が情報を交換するための掲示板「彩の国 災害時用伝言板ネットワークシステム」の開設、千葉市は外部サービスを利用した公式サイトのバックアップサイト(千葉市臨時公式サイト)の開設、横浜市と千葉市はツイッターを使った災害情報の発信、などの取り組みが見られました。

※ Akamai Technologies「Akamai Reveals 2 Seconds as the New Threshold of Acceptability for eCommerce Web Page Response Times」

(表示速度順調査結果表1 公式サイト)

 自治体名表示速度
(秒)
稼働率
(%)
転送量
(KB)
要素数
(個)
1千葉市(※1)0.281100.0015924
2茨城県(※1)0.737100.0019549
3埼玉県0.753100.00432103
4相模原市0.909100.0046595
5神奈川県0.972100.0028752
6川崎市1.113100.00338104
7千葉県1.120100.0030291
8群馬県(※1)1.135100.0051671
9東京都1.202100.0077562
10横浜市(※1)1.680100.00517135
11さいたま市1.748100.0042696
12栃木県15.88899.38491106
※1 ページの更新等により、測定期間中の時期によって次のとおり測定結果に差異が生じております。
自治体名測定期間表示速度
(秒)
稼働率
(%)
転送量
(KB)
要素数
(個)
千葉市平成23年4月2日~4月5日
平成23年4月6日~4月8日
0.146
0.566
100.00
100.00
35
342
2
56
茨城県平成23年4月2日~4月3日
平成23年4月4日~4月8日
0.975
0.639
100.00
100.00
236
177
69
40
群馬県平成23年4月2日~4月6日
平成23年4月7日~4月8日
1.209
0.914
100.00
100.00
552
409
72
67
横浜市平成23年4月2日~4月3日
平成23年4月4日~4月8日
1.556
1.687
100.00
100.00
365
582
130
136
※2 転送量と要素数は小数点以下を四捨五入。

(表示速度順調査結果表2 公式サイト)

 自治体名/測定ページ名称表示速度
(秒)
稼働率
(%)
転送量
(KB)
要素数
(個)
1横浜市/横浜市の危機管理0.257100.0012916
2茨城県/防災・危機管理ポータルサイト0.467100.0018828
3千葉県/防災ポータルサイト0.649100.009873
4川崎市/川崎市防災情報ポータルサイト0.718100.0019658
5神奈川県/防災・災害情報0.869100.0020549
6群馬県/防災トップページ0.881100.0025847
7東京都/東京都防災ホームページ1.010100.0055777
8栃木県/防災情報2.066100.0010312
9さいたま市/さいたま市
危機管理防災気象情報
13.72795.6020019
※ 転送量と要素数は小数点以下を四捨五入。

【調査概要】

・測定対象関東7都県5政令指定都市の公式サイトと災害情報サイトのトップページ。
・測定期間平成23年4月2日~4月8日
・測定内容表示速度(測定対象ページが完全に表示されるまでの時間)、稼働率(全測定回数のうち測定対象ページの全ての要素が60秒以内に正常に表示された回数の割合)、転送量(測定対象ページの合計ファイルサイズ)、要素数(測定対象ページに含まれる要素の数)
・測定方法サイトパフォーマンス測定ツール「Keynote」により、都内のデータセンター1箇所から上記測定期間中60分間に1回の頻度で測定した測定値の平均値を算出。

【ゴメスのサイトパフォーマンス測定・改善サービス】
 ゴメスでは、サイトパフォーマンス測定ツール「Keynote」を用いたサイトパフォーマンス測定ASPサービスと改善コンサルティングをご提供します。サイトパフォーマンス測定ASPサービスでは、国内外の拠点から24時間365日自動測定を行い、測定・解析データをご提供します。改善コンサルティングでは、ハイパフォーマンスサイトを実現するための改善施策のご提示やサイト設計・構築サービスをご提供します。
(価格)
 サイトパフォーマンス測定ASPサービス 月額5万円(税別)~
 サイトパフォーマンス改善コンサルティング 50万円~(税別)

【ゴメス・コンサルティング株式会社について】(http://www.gomez.co.jp/
 Webサイトの評価・アドバイス・構築サービスを提供するゴメスは、Eコマースサイトをユーザー視点で比較評価した「ゴメスEコマースランキング」の公表のほか、そのノウハウを活かしてWebサイト戦略提案から構築までをトータルサポートします。