インターネット総合金融グループとして発展してきた当社グループは、2017年より地域金融機関との連携を中心とした地方創生への取り組みを進めてきました。地方創生プロジェクトを通じて構築してきた地域金融機関との関係は想定以上に強化され、当社グループのビジネス領域および顧客基盤の拡大にも大きく寄与しました。
 この成果を踏まえて、企業生態系のさらなる強化に向けて打ち出した次なる全体戦略が、地方創生戦略のさらなる進化とグループ事業法人顧客基盤の飛躍的拡大です。当然この新たな戦略は、既存の戦略やビジネスと有機的に結び付けながら発展させていくことになります。地域の事業法人を対象とする場合は、地域金融機関と一体となって、地域企業に対する投融資やサプライチェーンファイナンスによる支援、デジタルトランスフォーメーション(DX)やサプライチェーンマネジメント(SCM)等のテクノロジー提供、地域企業の全国への販路拡大支援といった様々な施策を通じて、地域産業基盤の活性化を目指していきます。
 また、グループの各事業領域においては引き続きそれぞれの事業活動を通じて大・中・小様々な事業法人との関係性構築を推進しつつも、こうした事業法人顧客のデータを、顧客の同意を得たうえで横断的にビッグデータとして集約することで、事業体ごとの顧客をSBIグループの全事業体における共通顧客とし、金融以外のサービスも含めSBIグループが保有する多様な商品やサービスを事業法人へ提供することを目指します。とりわけ、SBIグループが関係を有するベンチャー企業の高水準な技術の拡散や多様なサービスの提供支援等々を中心に、様々な新規ビジネスの展開を図っていきます。
 事業法人戦略に関する取り組みをグループ全社で強く推し進める姿勢を明確にするため、当社において「コーポレート推進室」を新設したほか、事業法人ビジネスに特化した新たなグループ会社「SBIネオコーポレートサービシーズ」を設立しました。これまでの地方創生の戦略においてこのような専任組織を用いたスキームが多大な成果に繋がっており、今後、これら専任組織が事業法人戦略を推進していくうえで大きく貢献するものと期待しています。

 当社の事業展開を語るうえで外せないのが、デジタルアセット領域への取り組みです。「新中期ビジョン」の実現に向けても、暗号資産関連やブロックチェーン等の革新的技術を活用した事業による業績への貢献が大きくなるものと考えていますが、この領域における当社グループのビジネスは、コンセプト段階から具体的なサービスへと移行する新たな段階に入ってきました。
 かねてより非代替性トークン(NFT)分野への参画を検討してきた当社は、2021年9月、NFT売買プラットフォーム事業者である(株)スマートアプリを連結子会社化し、社名をSBINFT(株)に変更しました。また、SBIアートオークションにおいて、国内初となるNFTセールを実施し、盛況のうちに終了しました。今後は、最先端技術を持つベンチャー企業との連携等により、NFTマーケットプレイス事業を中心に、国内外アート、エンタメ、チケットなどNFTが高い有用性を発揮出来る各種流通市場において世界のトップシェアを目指していきます。
 セキュリティトークン(ST)分野では、既にSBI e-Sportsにおけるデジタル株式の発行やSBI証券による社債型STの発行、資産裏付型STの公募など、幅広い取り組みを実現しています。また、STを取り扱う国内初のPTS(私設取引システム)運営会社を目指して、2021年4月、(株)三井住友フィナンシャルグループと共同で大阪デジタルエクスチェンジ(株)(ODX)を設立し、ST業界の発展を支えるグローバル流通市場の整備を進めています。ODXについては、新たに野村ホールディングス(株)ならびに(株)大和証券グループ本社が出資したほか、海外金融事業者からの出資希望も多く、今 後のグローバル展開を視野に出資受入を検討していきます。当社グループではこのほか、分散型金融(DeFi)の推進や暗号資産組み入れファンドの組成など、多彩な施策・取り組みを通じてデジタルアセット領域のさらなる深耕を図っています。