2025年7月29日
SBIファーマ株式会社

 SBIホールディングス株式会社の子会社で5-アミノレブリン酸(5-ALA)(※1)を利用した医薬品等の研究・開発等を行っているSBIファーマ株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役執行役員社長:北尾吉孝)は、当社が治験薬及び研究資金の一部を提供し実施された小児ミトコンドリア病に対するSPP 004(5 ALA塩酸塩及びクエン酸第一鉄ナトリウム [SFC])の安全性と有効性に関する探索試験(SPED ALA 001試験)及び長期投与試験(SPED ALA 002試験)の結果に関する論文が、生命科学に関する国際科学雑誌『Life』に掲載されましたので、以下の通りお知らせいたします。

掲載誌 Life
表題 Efficacy and Safety of 5-Aminolevulinic Acid Hydrochloride Combined with Sodium Ferrous Citrate in Pediatric Patients with Leigh Syndrome and Central Nervous System Disorders: An Initial Exploratory Trial with a Double-Blind Placebo-Controlled Period, Followed by an Open-Label Period and a Subsequent Long-Term Administration Study
著者 国立成育医療研究センター神経内科 阿部裕一診療部長ら
URL https://www.mdpi.com/2075-1729/15/8/1168
要旨 小児ミトコンドリア病の一つであるLeigh症候群の2歳以下の患者10名に対し、SPP-004(5-ALA塩酸塩とSFC)の安全性と有効性が評価されました。
12週間の二重盲検期にSPP-004又はプラセボが投与された後、12週間のオープン期にSPP 004が投与される探索試験(SPED ALA 001試験)が行われました。その後、同患者群を対象にSPP-004が最大180週間継続投与される長期投与試験(SPED-ALA-002試験)が実施されました。
12週間の二重盲検期終了時点において、SPP-004投与群とプラセボ群でミトコンドリア病の重症度の判定規準であるNPMDSスコアに有意差はありませんでしたが、その後のオープン期から長期投与試験終了までのSPP-004の継続投与により症状は安定または改善傾向を示しました。血中乳酸値は二重盲検期にプラセボ群で上昇しましたが、その後のSPP 004の継続投与により平均値が正常化しました。1名は原疾患の悪化と推定される心不全で死亡しましたが、全体として重篤な副作用は少なく、7名が安全に長期投与を完了しました。
これらの結果は、SPP-004が小児ミトコンドリア病患者の症状安定化に寄与する可能性を示しています。
(※1)5-アミノレブリン酸とは、体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸で、ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与するタンパク質の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。5-アミノレブリン酸は、焼酎粕や赤ワイン等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。
(※2)SPP-004(5-ALA塩酸塩とSFC)は開発中の製剤であり、医薬品の承認を受けていません。また本プレスリリースは論文の紹介であって、未承認薬の使用を推奨するものではありません。

以上